2021年 06月 27日
Pultec EQP-500X
Pultec EQP-500Xの調整です。音楽レコーディングの世界では有名なビンテージ機材が数多くあります。中でもイコライザーで有名な真空管式のPultec EQP1Aはとても有名です。UTCインプット、インターステージ、ピアレスアウトプット、電源トランス、4つのトランスと12AX7,12BH7,6X4の真空管のアンプです。その復刻版が近年デビューしましたが、500シリーズラックもリリースされました。ビンテージバージョンも真空管ではないAPI2520オペアンプタイプもありました。
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日本では販売している代理店がないため、アメリカの通販会社から購入しました。500シリーズは電源や入出力のランチボックスなどがないと使えません。最近目にするルパード・ニーブさんの名前をつけたランチボックスも一緒に輸入しました。
まず接続して音を出してみて感じたことは、すこしモコーっとしているな。でした。
中を開けてみると抵抗がMIL規格のR60シリーズでした。コンデンサーもニチコンが入っていましたので、それぞれ交換を行いました。
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中に入っている抵抗はVishey MIL規格DALE CMF60シリーズです。この抵抗は抵抗値が数字で描かれたローズ茶色です。精度は高いのですが、音質は抜けの悪い音だと思います。人によっていろいろ感じ方はあると思うのですが、私は好きになれない音質です。同じ会社VisheyのカラーバーのRN60に交換します。コンデンサーもニチコンの音質はどうも好きではありません。これもBC、もともとのフィリップス製に交換します。
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交換したボードです。
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付属のAPI2520オペアンプ(上写真、真中の黒い四角いアンプ)も交換したいのですが、足の長さが合わないため、脚長のオペアンプを組み立てないと交換できません。
出来上がった音は、納得のいく音となりました。

ところで、Pultec EQP-500Xは何に使うのかを説明していませんでした。これはイコライザー、音質を変更するために使用します。ベースの音を太くしたり、ボーカルの音やドラムの音など前に出したりとか色々使います。このイコライザーはロー周波数をブースト(増幅)とアッテネート(減衰)を同時に行うことで何とも表現できない音を作ることができます。高い周波数もアッテネートできまますが、ミッドレンジはまた別のアンプがあるのでそちらで調整することができます。

このアンプPultec EQP-500Xは、業務用なので、民生用のオーディオに使っても効果的です。低域のベースやドラムキックが引っ込んでミックスされた音源をリアルに蘇らせることもできます。しかし録音の悪い場合はやはりそれ相応の音でしょうか。

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500シリーズはもともとはAPIのイコライザーやコンプレッサーのラックです。サイズもコンパクトなうえ取扱も便利なので近年各社が500シリーズのユニットを発売しています。




by yukimune3 | 2021-06-27 13:33 | レコーディング


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