2014年 05月 05日
Martin D-28 Authentic 1941 vs 1937
Martin D-28 Authentic 1941 vs 1937



 マーチン社の代表モデルのD-28、そのD-28の戦前のモデルの復刻バージョンです。

 トップの板がアディロンダック・スプルース、側板と裏板がブラジリアン・ローズウッドではなくマダカスカル・ローズウッド、ネックはTバー、木の接着はにかわ(Animal glue,動物の皮や骨)で行っている。2本とも同じ作り方で材料もほぼ同じですが、ナットとサドルの材が1941は象牙、1937は牛骨です。ブレーシングの位置(ギターの表の板を支える背面の力木のXで交差する位置)が1941と1937では違います。1937年はサウンドホールよりにありましたが、ブリッジが弦のテンションで浮き上がってくることから交差する場所をブリッジ側に近くして強度を持たせたのですが,音が少し地味になっています。またネックの幅が1937はネックで1-3/4''12th Fret: 2-1/4''です。1941はネックで1-11/16''12th Fret: 2-1/8''と41年モデルが細くなっています。1937年のブリッジの位置の弦の幅(Bridge String Spacing)は 2-5/16'' です。1941のString Spacingは、 2-1/8''と少し狭くなっています。私の感想ではネックの幅が音に影響があると思います。チューニングが1937年モデルの方が安定していて音もしっかりサスティーンがかかります。1958年と1960年の Gibson Les Paul(ギブソンレスポール)の音の違いみたいな感じがします。

 1950年代半ばをすぎるとMartin社のギターの音はまた変わって行きます。トップの材が殆どアディロンダック・スプルースが使われずシトカ・スプルースになった事や強度を増す為に板厚を厚くしたり、ネックもアジャスタブル(ネックの曲がりを鉄芯で修正できる方法)で曲がりやすく製造した事等から音は変化して行きました。

 このD-28 Authentic 1937年モデルはマーチン社ギターのゴールデンエラ(黄金時代)の完全復活版と言えます。

by yukimune3 | 2014-05-05 16:59 | ギター


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