2012年 06月 28日
イタリア•ミラノ 至宝とは
色々なところを訪ねましたが、この美しさには感激しました。この建物はポルディ•ペッツォーリ美術館 (Museo Poldi-Pezzoli) の内部です。個人の貴族の建物が美術館として公開されています。宝石箱のような美術館です。趣味のいい調度品や家具、国宝とも言えるボッティチェッリの書物の聖母と呼ばれる「聖母子」があります。ボッティチェッリはルネッサンスを代表する画家です。
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戦災を免れた部分の建物内部。
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ステンドグラス





宗教家のルターの肖像画
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すばらしい調度品、ウオールナット。
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ボッティチェッリの「聖母子」
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ポッライウォーロ作「若い貴婦人の肖像」
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ジノリの磁器
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時計
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懐中時計のコレクション
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消失する前の写真。戦前の写真が飾られています、上の白黒写真と下の写真は同じ部屋です。床の装飾、天井、壁の装飾など完全には復元できていません。
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現在の内部。戦渦を免れた調度品(テーブルとかドアーなど運び出せる物は避難したのでしょう、一部残っています。しかし美しかった床にしろ壁、天井と戦争で無くなってしまいました。

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美しい戦前の部屋の白黒写真
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現在の室内。天井は装飾はなく漆喰のままです。実は同じ部屋なのに白黒写真と違うので疑問に思って、館内の方にいろいろ伺いました。それで戦争で壊れてしまった事が分かりました。できる事なら戦争前のこの建物にタイムトリップして行ってみたいと思います。


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ルネッサンス以降のガラス器、多分ベネチアグラスでしょうか。
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美しいブルー

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戦渦を免れたステンドグラス。このステンドグラスのある部屋と階段だけが爆撃でも残ったそうです。
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この暖炉の石の色合いは相当な美しさです。
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言葉では言えない美しさ。
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大きなテーブル、中世のお城によくあるテーブルです。これも相当古いです。
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象牙でできた世界地図。丸い象牙を平にして世界地図が彫られています。
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どの面の象牙で装飾されています。
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一体どのくらいの象牙が使われたのでしょうか、細工も丁寧で細かく描かれています。
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1階にある部屋にかけられたペルシャン絨毯。大きさに圧倒されます。この絨毯もこんなにすばらしい織物はなかなかみた事がありません。

今回イタリアのミラノにあるポルディ•ペッツォーリ美術館を訪れてとても考えさせられました。
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 戦争の名の下、過去の大切な文化を壊してしまいます。
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戦争は人も殺しますが、文化も壊してしまいます。職人が血のにじむような思いで丹誠込めて造った建物も一瞬のうちに破壊してしまいます。ヨーロッパでイタリアやイギリスなど多くの国々で空爆を受けてたくさんの文化財が消滅しています。フランスは即降伏したので空爆は少々免れましたが戦争の被害は相当あったと思います。日本も空襲を受けてたくさんの文化財が灰になっています。かろうじて京都や奈良は残りましたが、もし京都も奈良も空襲で燃えてしまっていたら、日本の文化、、、なんて言葉は言えなくなってしまったのではないでしょうか。誰も京都と奈良が空襲で燃えてなくなってしまっていたら、、、という話は聞いた事ありませんが、平清盛のドラマも想像できなくなってしまいます。
 ドイツの各地も空襲でほとんど破壊されました。建物は復元して街並も戻っていますが、すばらしい装飾や調度品は復元できません。

 戦争は宣戦布告すれば相手の国を攻撃できます。宣戦布告しなくても現在も空爆やミサイルをしていますが、もっての他です。人が造った価値ある物を壊す権利は何人にもありません。
文化の無い国(文化財の無い国)は惨めな歴史を辿るでしょう。

文化の尊さ;
中国北京の故宮を1990年に訪れましたが、博物館なのですが古いものがあまりありませんでした。最近の書や画が並んでいるだけでした。日中戦争でも多分多くの文化的な遺産が灰となったでしょう。戦後、蒋介石が台湾に運んでしまったこともありますが、それ以上に文化大革命という号令のもと、中国各地の過去の文化財や書物、仏像など大概の物は焼却されました。文化大革命、失われた10年間、その間学生は勉強できず、市民は親でも子でも批判し、都市にいた人は強制的に農村で作業をさせられた時代です。文化大革命という名前は文化ですが激動の時代、中国の多くの遺産が無くなりました。万里の長城や故宮など壊せなかった遺跡だけが残っています。戦争や思想によって多くの人類の遺産が無くなっていきます。過去の人々の残した遺産を壊したり消失させる事は許されない事だと思います。

by yukimune3 | 2012-06-28 16:50 | 旅行


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